ひの社会教育センター

ひの社会教育センターは日野市と公益財団法人社会教育協会が共同で運営しています

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中能コラム

カナダ・BC州・ビクトリア近郊のハイキングコース(2)

CENTENNIALコース

FRANCIS KING REGIONAL PARK TRAIL
フランシス・キング・リージョナル・パーク・トレイル

(市立自然公園ハイキングコース:訪問時期5月初旬)


FRANCIS KING REGIONAL PARKはダウンタウンから車で約20分ほどのところにある市立の公園で、いくつものハイキングコースが整備されています。また、この中には車椅子でも利用できるElsie Kingコースもあり、障害を持つ人も小鳥のさえずりを聞きながら森林浴を楽しむことが出来ます。

今回は、CENTENNIALコースのうちネイチャーハウスの脇から入る、1周約3キロのコースを紹介いたします。

ハミングバードのお出迎え

ネイチャーハウスの入り口にはハミングバード(ハチドリ)用の餌である甘い蜜の入ったボトルがぶら下げてあり、タイミングがよいと観察することが出来ます。日本には生息していない鳥で羽ばたきながら蜜を吸う小型の野鳥です。

時間に余裕があるときにはしばらく待っていれば出会う確立も高まるとのことでしたので、一度は根気よく待つことをおすすめいたします。ちなみに、ビクトリア市内全体が緑の中にある感じの町で、住宅の庭先でも見ることが出来るそうです。私は今回出会うことが出来ました。(右側の写真はポスターを撮影したものです)

入り口は歩きやすいコース

ネイチャーハウスを右に見ながらコースに入ると、一気に静かになり春の草花が出迎えてくれます。

コースは平坦でよく整備されていて歩きやすく、最初に出会うのは樹齢300年は超えていると思われる樅の木で、思わず上を見上げてしまいます。周りにもさまざまな木々が所狭しと茂っていますが、この時期は木漏れ日に映える若葉が美しく、立ち止まっての自然散策をおすすめします。

また、耳をすませば野鳥のさえずりも聞こえ、目を下に向ければ片栗の群生に出会います。カナダには紫、白、黄色の花をつける片栗が有るとのこですが、ここでは紫と白の片栗に出会いました。

歩き始めて15分ほどでコースの分かれ道に来ますが、どちらを選んでもスタート地点に戻るようになっているので安心です。

今回は、もう少し足を伸ばして見ることにしました。この付近から、多少のアップダウンが始まり、時々は湿っぽい道にもなります。

森の守り神のようなヒノキ

歩き始めて25分、目の前に高さ40メートルは超えるヒノキが現れました。根元は大人3人が手をつないでやっとという大きさです。

ヒノキの根元に座って一息入れるのも良いのではないでしょうか。

可憐な白色の片栗

ここからは湿っぽさとあわせて岩場を越える少々のアップ・ダウンのコースとなるので、足元に充分に気をつけましょう。

コースの右側には湿原もあり、場所によっては黄色い水芭蕉も見ることが出来るそうですが、今回はお目にかかることは出来ませんでした。

その代わりに、日のあたる部分には純白の片栗が群生しており、しばし目を楽しませてくれました。

森の舞踏会

さらにコースを進み、ふと倒木に目を向けると、そこにはナマハゲの面にも似た切り株がありました。よくよく眺めていると、今にも踊りだしそうな感じがしてきます。

ただスタスタと歩くだけでは見つけることの出来ない一コマではないでしょうか。このコースは全体の半分くらいに当たり、約40~50分のコースです。あせらずにのんびりと散策することをおすすめいたします。

苔むした倒木と布袋ラン

カナダ・ビクトリアの自然公園はほとんどのところで人の手が入っていません。しかし、歩くコースはきちんと整備されていますので、何の心配もいりません。まさに自然そのままの姿を見ることが出来るところです。

道端の倒木にはコケが生え、写真を撮りに近づく足元は数百年にわたる腐葉土の堆積でふかふかしていてまるでじゅうたんの上を歩いている感じでした。そして足元に目をやれば布袋ランの笑顔に出会うことが出来ます。

4月末から6月頃までがもっとも花の多い季節だそうです。是非この時期に一度行かれることをおすすめいたします。

今回のコースは初心者向けのコースでしたが、この公園にはさまざまなハイキングコースが整備されており、健脚な方は弁当を持参し一日かけて楽しむのも良いのではないでしょうか。

尚、ハイキングに同行しさまざまな説明をしてくださる、プロのネイチャーガイドの方もいらっしゃいます(有料)ので、ご希望の方は、ビクトリア国際交流センター(VIEC)までご相談ください。


5月訪問(文責:日野社会教育センター前館長:中能孝則)

カナダ・BC州・ビクトリア近郊のハイキングコース(1)

IRON・MINE・BAYコース

EAST SCOOKE REGIONAL PARK COAST TRAIL
イースト・スーク・リージョナル・パーク・コースト・トレイル

(スーク市立自然公園ハイキングコース)


1970年に設置されたイースト・スーク・リージョナル・パークは、東西約7.5km、南北約5.5の広さで、外周の大半が海に面している公園で、いくつものハイキングコースが整備されており、週末ともなれば多くのハイカーでにぎわっています。
今回は、公園の西側にある全長約2Km のIRON・MINE・BAY(アイロン・マイン・ベイ)コース、を紹介いたします。

ハイキングに行く前に

このコースの入り口までは、ビクトリアから車で約1時間ほどですが、公園入り口に曲がる道路に入る前に是非、おすすめしたいビューポイントがあります。

その場所は公園入り口を通り過ぎて数分のところにあり、Sooke Harbourの入り口をさえぎっているWhiffin Spit Parkを一望できる場所で、絶景そのものです。

写真ではその一部しかご紹介できませんが、目の前に広がるパノラマはまさに見た人だけが味わうことができる景色であり、車に1時間も揺られて来たことさえ瞬時に忘れさせてくれる場所です。

ここでの眺めを堪能していただいたら、いよいよ今回のメインコースである、IRON・MINE・BAYの入り口に向かいます。コースの入り口には、公園の案内と標識が設置されていて、入り口を迷うようなことはなく、初めての人でも気軽に歩くことのできるコースです。また、トイレも完備されていますので、スタートする前に済ませておくとよいでしょう。

冷気を感じる入り口

コースに入った瞬間にひんやりとした冷気を感じ周りに目をやれば、樹齢100年は超えているであろうと思われる、苔むしたモミの木、ヒノキ等の巨木が無数に出迎えてくれ、自然のエネルギーであるマイナスイオンを身体全体で感じることができます。

入り口から海沿い近くまでのコースはきちんと整備されていて、道幅も3m近くあり語り合いながら歩くことができます。程よく進むと、樹齢数百年を超えて伐採された切り株の上には新しい木が芽を出し、カナダの厳しい環境の中で根を張り数十年生き続けている様子や、伐採するために足場を作ったと思われる切り株などは、大人が4~5人で囲んでも余りある大きさです。

さらに、コースの脇を流れる小さな流れや湿地帯には巨大化した水芭蕉の群生が見られ驚くこともあります。ちなみにここの水芭蕉の花は黄色で見ごろは4月~5月はじめ頃と思われます。ただスタスタ歩くのではなく周りの雰囲気を楽しみながらのハイキングをおすすめしたいところです。

眼下には渦潮、目の前には太平洋そして

歩き始めて30~40分ほどのところに来ると<BIEWPOINT>という立て看板が現れます。初めての人はそのまま前に進みたくなりそうなところでもありますが、是非、進路を右へ変えてビューポイントの方へ足を伸ばすことをおすすめいたします。(ちなみにビューポイントまでは約10分程度です)

ここからの道幅は1m前後と狭くはなりますが、特別歩きにくくなるわけでもなく、むしろ自然の息吹を身近に感じるコースと言ってもよいでしょう。

しばらく進むと、風の音ともに海の香りが漂ってきます。ふと見渡せば周りの木々は松の木が中心となり、その木々の間からは入り江や半島が見え隠れし、ふと見入ってしまうこともしばしばです。

最後のポイントまでの残り数分は岩場が続きますが特に危険な場所ではありません。しかし、捻挫などはそれほど険しくない場所でも起こりうる可能性がありますので、気を抜くことは禁物です。

眼下には渦潮、目の前には太平洋そして

歩来て良かったと言える場所のひとつで、眼下の渦潮の先にはDonaldsonという名前のついた無人島があり、しばし見入ってしまうことは間違い無しです。そしてふと気がつけば島の先には太平洋その先にはアメリカ・ワシントン州の雪をかぶった頂がくっきりと見えています。

ここで、お昼と行きたいところですが、ここではのどを潤すだけにとどめておきましょう。ただし、時間がたっぷりあるときにはのんびりするのもおすすめです。いや、潮騒の音を子守唄に松の木陰でのんびりと昼寝をするのは贅沢な時間の過し方の一つであるかもしれません。

いよいよIRON・MINE・BAY

半島での景色を楽しんだあとは、今日の目的地アイロン・メイン・ベイへ向かいます。

帰りは、今来た道を引き返すことになりますが、看板のあった場所まで引き返す途中に、

海岸へ下る道が見えてきて、そこを下るとわずか1分で波打ち際にたどり着きます。

流木に腰をかけ波の音に耳を傾けつつ太平洋を眺めるもよし、靴を脱いで海につかるのもよし、まさにプライベートビーチとして楽しんでいただくことができます。

そして、おすすめは目の前にある半島への訪問です。干潮の時期には何の心配もなく渡ることができますので、是非、行ってみてください。海抜10メートル前後の半島ですが、ゴールデンウィークのシーズンには紫色のシラーが咲き乱れています。

また、眼下には先ほどのビーチと透き通った海を堪能できます。もちろん先ほどのDonaldson島やアメリカの山々、そして沖行く船を眺めながら昼食をとるところとして、充分に楽しんでいただける場所です。

※満潮時には渡るのに苦労することも考えられますので、詳細には現地の方に調べておいていただくとよいでしょう。海岸からなだらかな道を数十メートル歩けば森の中のハイキングコースに戻ることができます。ここからは、

  • (1)海岸べりを先に進む7時間コース。
  • (2)COAST TRAIL~COPPERMINE TRAILコース。
  • (3)出発点に戻るコース。

などの選択肢がありますが、今回は出発点に戻るコースを選びました。この分岐点にはトイレも設置されていますので、海岸に長時間いても安心して過すことができます。

ここから駐車場までは、来た道を引き返すことになります。また、途中にはANDERSON COVE TRAIL~海抜272mのMt.MaguireそしてCOPPERMINE TRAILを目指すコースへの分岐点もあります。このコースを選ぶと到着する場所が別のところになりますので、運転手に先回りしておいていただくと、ここから約2~3時間程度の軽登山とハイキングを楽しむことができます。


参考コースタイム

09:00
ビクトリアを出発
10:00
Sooke Harbour BIEWPOINT
10:15
公園入り口駐車場(ハイキングの身支度をする)
10:50
BIEWPOINTへの分岐点
11:05
半島のPike Pt.に到着(約30分の休憩)
11:30
半島出発
11:40
IRON・MINE・BAY到着(昼食など自由に過す)
13:00
帰路に着く
13:40
駐車場到着
13:50
駐車場発
15:00
ビクトリア着

※このコースは初心者向けのかなりのんびりめの時間設定ですので、健脚な方は海抜272mのMt.Maguire~COPPERMINE TRAILを目指すコースや(1)や(2)のコースに挑戦されることも良いでしょう。

5月(文責:日野社会教育センター前館長:中能孝則)

カナダに学ぶ幼児教育現場と子育て&高齢者福祉の視察

カナダに学ぶ幼児教育現場と子育て支援の視察

【毎年実施中】カナダ・ビクトリアにホームステイで学ぶ幼児教育と子育て支援の視察

【毎年実施中】カナダ・ビクトリアにホームステイで学ぶ幼児教育現場の視察

ひの社会教育センターではデンマークに学ぶ子育て文化の視察に続き、カナダのビクトリアで、カナダに学ぶ『幼児教育現場と子育て支援の視察』を実施しています。

カナダの幼児教育(子育て支援)のプログラムでは、個人、公立、私立での幼稚園経営をはじめ、NPOで運営するファミリーデイケアセンター、ビクトリア大学ファミリーセンター、老人ホーム併設の幼稚園など、バラエティに富んだ子育て支援を実施しています。

そして、カナダでも、日本と同じように少子化の課題を抱えつつ、子どもとその親を主人公に据えた事業を展開している様子などを視察させていただきます。

また。この事業はホームステイをしながら行ないますので、カナダ人の生活の一端に触れることができます。(ホテルでの宿泊も可能です)

この様な事業を実施するには、現地のことに詳しい人に案内していただけるということが必要不可欠な条件ですが、幸い私どもは、カナダのビクトリアでもビクトリア国際交流センターの全面的なご支援をいただき、他ではなかなか経験できない地域密着型の特徴のある視察を実施しています。

日本の幼児教育や子育て支援をどのようにすれば豊かにできるかを学び合う機会につながるカナダでの「幼児教育現場と子育て支援の視察」の事業にひとりでも多くの皆様にご参加いただければと願っています。

カナダに学ぶ高齢者福祉の視察

ひの社会教育センターは、来るべき高齢社会を長寿社会の到来として喜んで迎えるには、どのような準備が必要になるのだろうという思いから、1993年よりデンマークに学ぶ高齢者福祉視察を実施して参りましたが、そしてこのデンマークの経験を活かし「カナダに学ぶ高齢者福祉視察」を計画し、カナダのビクトリアに所在します、ビクトリア国際交流センターの全面的なご支援をいただいて、実施させていただいています。

カナダの高齢者福祉は、日本と同じような課題を抱えつつ、日本より先を進んでいる高齢者福祉の国と言われています。訪問するビクトリアでは、専門家による高齢者福祉制度のレクチャーをはじめ、公立、私立の特別養護老人ホームの視察、元気高齢者の方々が人生をエンジョイしている、シニアアクティビティーセンターではそこで行われているプログラムに参加させていただき、利用者との交流会等をおこないます。

また、高齢者福祉に携わっていらっしゃる皆さんからは、今カナダが抱えている課題やその解決への努力の一端を伺いたいと思います。さらに。この事業は基本的にホームステイをしながら行ないますので、カナダの人々の生活の一端に触れることができます。(ホテル利用での参加も大丈夫です)

この様な事業を実施するには、現地のことに詳しい人が案内してくれるということが、必要不可欠な条件ですが、幸い私どもは、ビクトリア国際交流センター(VIEC)と出会うことができ、『カナダに学ぶ高齢者福祉視察』の事業を実施しており、普通の視察とは一味違う中身の濃いプログラムでご案内できるものと自負しています。

これからの高齢社会を、日本で、そして私たちの地域で、何をどのように準備し実行して行けば良いのかを学び合う機会につながる「カナダに学ぶ高齢者福祉視察」にひとりでも多くの皆様にご参加いただければと願っています。

笑顔の絶えることのなかった100歳のダンサー 柴田茂登雄さんを偲んで

今チャンスが訪れた

ある年の熟年からの社交ダンス教室初日、小柄なお年寄りが私の前に近づいてきて、「柴田茂登雄85才。これから社交ダンスを習いたいと思いますが、何とかなりますか」と、話された。私はすかさずに「何ともなりません」と答えようとしたが、“それを言わないのがひの社会教育センターの信念”と心に決めていたので、「出来るところまでやってみましょう」と話した。しかし内心では「無理かもしれない」と判断していた。
そして教室がスタートした。最初はドングリの背比べでどなたも同じようなレベルであった。日ごろ歩くときには何の違和感もなく歩く方々がダンスとなると、まるでロボットみたいに変身し、ぎこちない歩きとなる。特に柴田さんはその変身ぶりが顕著に表れていた。「やはり無理か」と思った。
しかし柴田さんは、実に真面目で、初日のレッスン終了後、再び目の前に現れ、「どうでしょうか、何とかなりますか」・・・・・。「大丈夫、何とかなるかもしれません」と心にもないことを言ってその日を終わったような気がする。

一念発起とはよく言われるが、柴田さんは常に自分を奮い立たせ、一回も休むことなく通い続けられました。お世辞にも「うまい」とは言えなかったが、徐々にダンスの形になっていった。
まさに、当センターの理念のひとつである。“生涯学習は幾つになっても何時からでもやってみたい時が適齢期”を実践された一人である。
柴田さんは続けられた秘訣のひとつに、“分からない時には絶対にわかった様な顔をしないこと”と“分かった時には笑顔で答える”であった。またこちらも、柴田さんが納得するまでお付き合いし、ダンスの基礎を理解してもらうために、テキストを拡大したものを渡したり、足型を床に書いたり、前に立ったり、後ろに立って声をかけ続けるなど、いろいろな工夫をしてみました。そして何よりも効果が表れたのは、「すばらしい」「足の出し方はばっちり」「身体の線もダンス風になってきました」と褒め続けることだった。

結局柴田さんとは5年間お付き合いして、いよいよ卒業という年に、川柳もどきの賀状を差し上げた。

「覚えない、覚えない、何年やっても覚えない、覚えたかなと思ったら、すぐに忘れるダンスかな、されど継続は力なり、長年のお付き合い本当にありがとうございました」

するとすぐに次のような返礼が届いた。

新春の朝日と共に賀状ありがとうございました。私も今の心境を一句。

「覚えられない、覚えらえない、どうにもこうにも覚えられない、覚えたかなと思ったら目が覚めた。これぞ初夢。されど、今チャンスが訪れた」

この教室の入学と卒業は自己決定していただくことにしていた。私から見ると「もう少し学んでほしいんだけどな」という人も何人も卒業されたが、柴田さんは自分が納得いくまで学び続け、結局すべてのプログラムの基礎的なことは習得された。まさに“努力の人”そのものであった。
教室にはほとんど休まず通い続け、講座終了後も地域のダンスサークルに入会し、さらにダンスを楽しむ技を磨かれた。
少々つまずきながらも、常に前向きにダンスを楽しまれる柴田さんは、ダンスを習得しただけではなく。だれからも愛され、尊敬され、私たちに“人生を楽しむとはこういうことですよ”と無言の笑顔で教えていただいたように思う。

あなたに出会えて本当に良かった

2007年の春ごろだった、日野市ボールルーム協会の宮崎春男会長より、「100歳を迎えてなおダンスを楽しまれている柴田さんの姿は私たちの鏡である、誇りである、そこで、そのことに敬意を表してダンスパーティーをしたいので、応援してほしい」との相談があり、二つ返事で承諾した。

そして9月、日野社会教育センターの体育室において満100歳を迎えられる柴田茂登雄さんの誕生日を祝うダンスパーティが行われた。
私は黒子になって準備から本番まで裏方で支えましたが宮崎会長からは柴田さんには是非ともデモンストレーションしてほしいとお願いして、やがてその時を迎えた。
柴田さんの様子はいつもとは少し違っている。それは、日頃は杖をつき身体を少し丸めながら歩いている小柄な柴田さんの姿を拝見しているが、この日は黒のズボンに真っ赤なシャツに身を包み凛々しくその出番を待っていた。
そしていよいよそのときが来た。多くの皆様に拍手で迎えられた柴田さんは、背筋をピシッと伸ばされ、パートナーの先生を相手にまるで別人のように1曲のルンバを踊りきった。そして多くの方が、感動と共に絶賛の拍手をおくっていた。

まさに、『青春』そのもの。

『年を重ねただけでは人は老いない。人は信念とともに若く、人は自信とともに若く、希望ある限り若く、失望とともに老い朽ちる』とある。(サムエル・ウルマンの『青春』一部抜粋)

そして、その夏の日の出来事を思い出すことがある。私が出張からの帰り豊田駅から職場に向かう途中、柴田さんとばったりと出会った。

「柴田さんこんにちは、この暑い中どちらへお出かけですか」
すると柴田さんは「皆さんが私のためにダンスパーティーを開いてくださり、是非デモンストレーションをとお願いされたのでこれからそのレッスンに向かうところです」
「この暑い中お元気ですね」
「イヤー元気ではありません、これでも週3日はヘルパーさんに付き添われて透析に行っております」と答えられた。そして「透析を続けてでもダンスを楽しみたい気持ちの方が強いです」と答えてくれた。私はただただ頭が下がる思いだった。
すると、柴田さんは私の顔を見つめて
「館長さん、私はあなたと出会えて本当に良かったと思っています。心からそう思って感謝しています」と話してくれて、私に頭を下げてくれた。

私はボー然として、ただ頭を下げてこちらこそ有難うございますというのが精いっぱいだった。頬伝う涙をこらえることが出来なかった。
そして、柴田さんは、「ここまで来たら生きられるだけ生きてみたい、これもダンスと皆さんのおかげです。そしてセンターに行くことは私の楽しみのひとつです」とニコニコしながら話してくれたことを、昨日のことのように思い出す。そして、この仕事に就けたことを冥利に尽きることと感謝し、かみしめている。

今が一番幸せだなー

102才までダンスを楽しまれた柴田さんはドクターストップがかかった時には、かなりがっかりされたと伺っている。
その柴田さんが2011年3月23日、103歳の誕生日を前にして永眠された。心からご冥福をお祈りいたします。
柴田さんは亡くなる前日、体調不良のため病院に検査に行かれ、帰宅し夕食をすまして、ご家族にお休みなさいと声をかけて床についた。翌日、目を覚まされることなく天国へ旅立たれたそうです。

柴田さんは最後までダンスを愛し、楽しまれていらした。まさに人生を楽しむために自分の目標に向かって常に前向きに学ばれ、微笑みを忘れず、決して諦めることはなかった。その姿勢は多くの方々に慕われ、勇気を与えてくれた。

また柴田さんは、ひの社会教育センターは全国的にみても珍しい民間の社会教育施設であり、その運営はとても厳しいということをとてもよく理解されていて、「市民がともに学び合い、仲間を作り、人生を楽しむための施設は市民の宝物である。」と“市民として日野社会教育センターを支えよう”と賛助会にも入会され、「会費をお持ちしました」とニコニコしながら窓口を訪れ、私たちを励ましてくれた。
今でもあの笑顔を忘れることが出来ない。

そして亡くなる直前、ご家族には「今が一番幸せだな」と話されていたそうだ。柴田さんの生き方は、ただ単に自分がダンス学べればよいという考えかたから、ともに人生を楽しむ場を作り出すために、いつも笑顔で学び続けられていましたが、その生き方は常に謙虚であり、人としてこの世に生を受けた以上、自分らしい人生を送れることがどれほど幸せなことか、それが社会教育の原点であることを教えてくださっていたように思いました。


【先日柴田さんのご家族よりお手紙をいただきましたのでご紹介いたします】

先日はお忙しい中をわざわざご焼香においでいただきありがとうございました。故人もさぞありがたく感銘していることと思います。

故人は、中能館長はじめ地域の皆様と広くお付き合いをさせていただき大変お世話になり深く感謝いたします。

父は「いつ天命が来るかもしれないが生きている限り努力する。人は何か目的を持たないとだめ人間になるので、出来る、出来ない、にかかわらずやる気が大切」と言っていました。
百歳を超えてもダンスに前向きに取り組む姿勢が立派でした。父は、大正、昭和、平成という激動の時代を103年にもわたって生きてきました。その生涯はまさに波乱に富んだものと思います。

最期は普段と変わらず大変穏やかな顔で文字通り眠るように逝く大往生でした。そして、子どもたちに何の迷惑をかけることもなく、後々のことを記してそれは立派な生き方で本当に頭が下がる思いです。

毎日、関東・東北大震災のニュースが報じられ惨状が信じられない思いで心が痛みます。今までの当たり前の生活のありがたさに気付かされました。

寒い日が続いております、ご自愛くださいませ。


※写真(右上):この日のために練習を重ね、お世話になった先生と一緒にデモをする柴田さん
※写真(左下):自分が100歳まで生きられたことに感謝してのご挨拶

カンボジアレポート2008

平成20年度 カンボジア派遣団『レポートの作成にあたって』

Cambodia団 団長 中能孝則

私は縁あって、内閣府が主催する平成20年度カンボジア派遣団の団長として日本を代表する15名の若者と一緒にカンボジア王国を3週間にわたり訪問するチャンスに恵まれました。

そして、訪問した全てのところでそれぞれに強烈な印象を受け、今の気持ちを記録しておこうと思い、早起きして思いつくままにレポートを書きました。

気持ちの上ではあちらもこちらもレポートしたいと思いましたが、思うように書けませんでした。さらに、文章そのものが素人のレポートのため、カンボジア王国のほんの一部分しか伝えることが出来ませんが、少しでもお知らせできれば幸いです。

事業の概要(PDF 17.4KB)

まずはまっすぐな気持ちで見ることからはじめたい(PDF 567KB)

スラムに輝く子どもたちの瞳(PDF 721KB)

独房の外には昔も緑の風が吹いていた(PDF 273KB)

間一髪でカンボジアの胡椒を蘇らせた日本人(PDF 313KB)

子どもたちの生きようとするパワー(PDF 553KB)

笑顔と歓声が沸きあふれているフレンズ(PDF 483KB)

事後研修・帰国後の研修から(PDF 500KB)

成果発表会レポート(PDF 556KB)

≪事業終了後の報告会にて≫


興味があったら立ち止まって考えそして行動

ある新聞記事の中に「財団法人ぼけ予防協会」という団体があること見つけ、言葉使いの意味で認知症との関係について伺ってみました。電話で『認知症』とはひとつの病気を表す言葉であり、『ぼけ』とは、認知症も含む加齢に伴う物忘れや記憶違いなどのことをさしており、この協会では広い意味で『ぼけ』という言葉を使用しているとのことでした。

しかし、誤解を招くこともあるので今後、専門家の意見を聞きながら適当なことばがあればそちらの方に移行していくことも考えていますとのことでした。

その成り行きは待つことといたしますが、この協会のホームページに掲載されている『ぼけ予防10ヶ条』の中に、

★食事や運動
★飲酒や禁煙のことと合わせて
★新しいことに興味や好奇心を持つ
★考えをまとめて表現する習慣をもつ
★いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに
★くよくよしないで明るい気分で生活を

など、まさに生涯学習そのものの勧めが書かれてありました。

学びたいこととの出会いは、そのことに対する興味や好奇心が一番であることは間違いないと思いますが、さらに共に学び合い励まし合う仲間がいれば継続する勇気も出て来ます。

そして、学んだことを発表(表現)すること、喜びややりがいも出て来ます。また、人様の前に立つにはおしゃれも必要になってきます。 学びの領域は人それぞれに違っていて良いと思いますが、5年10年と学びの深まりとともに、「生きていることに喜びを感じ、この町に住んでいて良かった」ということにつながると思います。また、学びの継続は「自分たちの住む町をより良くしていくために自分には何ができるかという気付き」にもつながると思います。

ひの社会教育センターでは、幼児から高齢者の方まで、楽しく学び合える沢山のプログラムを準備してお待ちしていますので、お誘いあわせてお出かけいただきたいと思います。

また、当センターはこれからも地域の皆様と共に学びの輪を広げていくように努力したいと考えています。新しく学びたいプログラムがありましたら是非、ご提案いただき、一緒に作っていただければ大変ありがたいです。

今チャンスが訪れた・私は100歳のダンサー

今チャンスが訪れた

シニアからシルバー世代の皆さんと社交ダンスを楽しむようになって20年になりますが、正直に言ってこんなに長く続くとは想像もしていませんでした。その理由は、「なかなか覚えてもらえない」の一言です。「お客様が悪いのではなく指導が未熟である」と自分に言い聞かせても、なかなか先に進めなくて悩んでいるときに、次のようなお便りをいただき励まされたことがあります。

「覚えられない、覚えられない、何回やっても覚えられない、覚えたかなと思ったらすぐに忘れるダンスかな。されど継続は力なり、今チャンスが訪れた。」

10人十色と申しますように、人はみんな違っていて当たり前、しかし、またそのことに気が付かないのも人間ではないでしょうか。当センターのダンス教室は、現役時代にどのような立場にあった方でも、「ここにきたらただの人であること」を大切にしています。

日々の生活をより豊かにするためには、ただの人になって常に学び続けようとする姿勢が大切ではないでしょうか。そのような気持ちになれた方は、不思議なくらいに順調に覚えていきます。そして仲間の輪も広がっていきます。

私たちは、指導するというよりも、積極的に自分の生き方を選択していただくためのきっかけ作りをお手伝いさせていただくと共に、わくわくしながら次の出会いを楽しみに待っていただける施設でありたいと考えています。これからの人生は、ただの人になりきれるところを見つけ出すこと、ともに学び続ける仲間がいるところに出会うことではないでしょうか。

そして、幾つになっても「今チャンスが訪れた」と思える自分でありたいです。

私は100歳のダンサー

2007年9月、日野社会教育センターの体育室において“日野市ボールルーム協会、宮崎春男会長”主催のダンスパーティーが行われましたが、今回はいつものパーティーとはちょっと違っていました。

それは、当センターダンス教室の卒業生で、今年満100歳を迎えられる柴田茂登雄さんの誕生日を祝うダンスパーティであり、柴田さんのデモンストレーションがあったことです。

日頃は杖をつき身体を少し丸めながら歩いていらっしゃる小柄な柴田さんの姿を拝見していますが、この日は黒のズボンに真っ赤なシャツに身を包み凛々しくその出番を待っていらっしゃいました。

そしていよいよそのときが来ました。多くの皆様に拍手で迎えられた柴田さんは、背筋をピシッと伸ばされ、パートナーの先生を相手にまるで別人のように1曲のルンバを踊りきりました。そして多くの方が、感動と共に絶賛の拍手をおくりました。

まさに、詩人サムエル・ウルマンの『青春』そのものでした。『年を重ねただけでは人は老いない。人は信念とともに若く、人は自信とともに若く、希望ある限り若く、失望とともに老い朽ちる』とあります。(一部抜粋)

柴田さんは、「ここまで来たら生きられるだけ生きてみたい、これもダンスと皆さんのおかげです」とニコニコしながら話してくださいました。まさに青春真っ盛りといった感じです。

このことこそが、生涯学習の真髄ではないでしょうか。ひの社会教育センターでは、会員・利用者・市民の皆様と共に、生涯学習の花を少しずつ開かせて行くお手伝いをさせていただきたいと考えています。

生きるエネルギーを育む生涯学習&日々の生活に潤いと豊かさを

生きるエネルギーを育む生涯学習

生涯学習とは、ユネスコが1965(昭和40)年に提唱したもので、本来はlife-long education、すなわち生涯教育といわれていました。

その後日本にも紹介され徐々に広がり始めた様です。まさに、ひの社会教育センターがオープンした(1969年)頃だと思います。

さて、生涯学習(教育)の精神を一口で表現するならば「生きるエネルギーを育むために学び合う」ということになるような気がします。

人は、自分の人生を楽しむために、学校教育に限らず、家庭や職場、社会においてもいろいろなことを学ぶ喜びを有しています。また、社会の第一線から退いた方も、趣味を広げたり、自分の新しい可能性を見つけ出すために学びたいと考えているのではないでしょうか。

そのためには、自分が学びたいものを見つけ出すこと(めぐり合うこと)、一緒に学び合う仲間と出会うこと、安心して学び続ける場所があることではないでしょうか。そして、いつからでも学び始めることができるのが生涯学習だと思います。

当センターでは「学びたいときが適齢期」「継続は生きる喜びづくり」を合言葉に、皆様の応援をしたいと考えています。

日々の生活に潤いと豊かさを

人間が自分らしく生きられるとしたら、どんなに素敵なことでしょう。その為には幼児期から、子どもの人権や意見が大切にされ、ひとり一人の個性を育てていくという教育がなされ、人は違っていて当たり前という考え方が必要であると思います。

また、大人になってからも日々の生活をより豊かにするためには、常に学び続けようとする姿勢が大切であるといわれています。

しかし、社会全体が不安定であることをはじめ理由はさまざまでしょうが、21世紀に入ってからは、今まで文化的なことに使われていたお金や時間が、どんどん少なくなってきているような感じもします。

日々の生活の中にゆとりや文化的なことが少なくなっていくと、人の心も徐々にすさみ始め、やがて社会全体が暗くなり、様来に夢を持てなくなってしまうのではないでしょうか。

ひの社会教育センターは、自分の生き方を積極的に選択していただくためのきっかけ作りをお手伝いさせていただくと共に、わくわくしながら次の出会いを楽しみに待っていただける施設でありたいと考えています。

これからも、会員、利用者、市民の皆様と共に、知恵を出し合い市民自治の精神を大切にしながら、子どもから大人まで楽しみを共有し合える町づくりのために、努力をしたいと思います。

デンマークの子育て文化と福祉

デンマークに学ぶ子育て文化の視察

ひの社会教育センターでは、「デンマークに学ぶ高齢者福祉視察」に続き、「デンマークに学ぶ子育て文化の視察」を企画して5回目を迎えます。そして、この旅に参加した方からは次のような感想を寄せてくれました。

『大変よく企画された研修旅行で充実感を持って帰ることが出来ました。そして、また良い旅の仲間に恵まれたことも感謝でした。

今回3園の保育を見学させていただきました。いずれも森や自然に抱かれてゆっくり生活していました。本来「環境を通して行う教育」というのは子どもを育むに足る環境が無ければならないことが良くわかりました。日本の運動場中心のフライパンのような園庭では、よほど保育者が努力しなければならないことになります。自然の環境が子どもを育てるには無くてはならないものと思います。それぞれの園の実態に合わせながら近くの公園や緑地を保育に生かせないものかと考えます。人間は老後の生活に不安が無ければ、子どものときから競争にさらされず、誰も彼もが大学に行かず、自分の適職を探して生きていくことが出来るのかもしれません。』

この視察は、デンマークが良くて日本が駄目という視点ではなく、視察やレクチャーや交流、森の幼稚園への動向を通して、自分らしく生きていける人間として育ちあうためには、何をどの様にすればよいのか学び合う機会にできたらと考えています。

また、この事業は『デンマークの子育て・人育ち』の著者でいらっしゃる、澤渡夏代ブラントさんにセミナーリーダーをお願いいたしました。澤渡さんは、デンマークに学ぶ高齢者福祉視察の旅でも16年間お世話になっていらっしゃる方で、一般の旅行とはひと味違う中身の濃いプログラムでご案内させていただく予定です。

デンマークに学ぶ子育て文化の視察

日本の高齢化は世界一の早さで進行しているといわれており、100歳以上の高齢者も30,000人を越えました。また、65歳以上の高齢者は2015年頃には4人にひとり、そして2050年ころには3人にひとりという超高齢社会を迎えようとしています。

そこで、当センターではこの高齢社会を長寿社会の到来として喜んで迎えるには、どのような準備が必要になるのだろうか、その思いが出発点となり、豊かな老後が保障され、“寝たきり老人のいない国”といわれる『デンマークに学ぶ高齢者福祉視察』を1993年より毎年実施してまいりました。

第17回目を迎える2008度の視察も、デンマーク在住の澤渡夏代ブラントさん(医療と福祉のコーディネーター)に事業開始以来このセミナーのリーダーをお願いしています。

現地では、デンマークロスキレ市当局、福祉の専門家によるレクチャーをはじめ、特別養護老人ホーム、高齢者住宅、補助器具センター、デイトレニーングセンター等の視察と交流を行ないます。合わせてロスキレ市高齢者委員会の皆様との交流会を行ないデンマークの高齢者の活動について学びたいと思います。

この事業は、視察と交流を中心に企画されており、現地関係者のご協力のもと一般の旅行とはひと味違う中身の濃いプログラムで案内させていただく予定です。

また、ロスキレ早朝散歩やフリータイムを活用しての街の散策をはじめコペンハーゲンミニ観光などデンマークの雰囲気を楽しんでもらうプログラムも準備されています。

来るべき高齢社会を、日本で、そして私たちの地域で、何をどのように準備すれば良いのかを学び合う機会につながる『デンマークに学ぶ高齢者福祉視察』に一人でも多くの皆様にご参加していただければと願っています。