ひの社会教育センター

ひの社会教育センターは日野市と公益財団法人社会教育協会が共同で運営しています

〒191-0062 東京都日野市多摩平4-3

TEL.042-582-3136 FAX.042-581-0647

創立90周年記念事業を開催しました。

創立90周年記念事業を開催しました。

1925-2015 公益財団法人社会教育協会 創立90周年記念事業

社会教育協会創立90周年記念事業として、記念式典、記念講演、祝賀パーティを、2015年10月31日(土)11時から14時半まで、イオンモール多摩平の森3Fホールで行い、120名を超える方々のご参加をいただきました。
また、記念式典の翌日2015年11月1日(日)10時から16時半まで、日野社会教育センターで記念シンポジウムを行いました。6時間を超えるシンポジウムには、50名を超えるご参加をいただきました。

記念式典:10月31日(土)

1.オープニング
日野混声合唱団「グローリア」「日野市歌」
2.黑水恒男当会理事長あいさつ
3.来賓あいさつ
(1)文部科学省生涯学習政策局社会教育課長 谷合俊一 様
(2)日野市長    大坪冬彦 様
(3)衆議院議員   長島昭久 様
(4)衆議院議員   小田原潔 様
(5)日野市議会議長 菅原直志 様
その他来賓の紹介(東京都議会議員、日野市議会議員、日野市教育長ほか)
4.祝電披露
(1)元内閣総理大臣 中曽根康弘 様
(2)元運輸大臣、前衆議院議員 藤井孝男 様
(3)(一社)全国社会教育委員連合会会長 大橋健策 様
5.記念講演
講師:堀尾輝久氏(東京大学名誉教授)
内容:地球時代の社会教育をひらく~未来をつくる君たちへ~
21世紀グローバル時代に臨み、日本としていかなる社会教育を展開するかについて、社会教育に携わる人たちへの示唆と励ましに満ちた、熱いお話しをいただきました。
6.祝賀パーティ
土方尚功当会理事(元日野市議会議長)からの乾杯の発声につづき、小松隆二白梅学園理事長より社会教育協会の歴史と白梅学園の関係について詳しくお話をいただきました。

記念シンポジウム:11月1日(日)

1.シンポジウム基調講演

講師:佐藤一子 氏

(東京大学名誉教授)

内容:地域からひらく市民の学習活動 『社会教育協会90年の歩みと創造』

社会教育協会の歴史を、時代の歴史とともにひもときながら、協会の設立当時の自由な社会教育を求める動きと、関東大震災の復興をめざす日本の社会の中で、青少年教育、女子教育を柱に掲げ、官民の力を合わせ、産声を上げた歴史から始まった。

日野社会教育センターは46年前に社会教育協会が日野市と連携して、公民館的な民間の施設を設けた。日本の社会教育の歴史の中で注目すべきことであった。

営々として90年間歩んできた、この歩みの中で生み出されたものは何であったのか。民間の社会教育というものを現在の状況で、どう捉えなおすのか。「社会教育協会の存在意義」を見つめてみた。そして、

  • 社会教育協会の90年の歩みの中で培われ、鍛えられた 民間の立場から発想する、日常生活や地域の中での人々の思いを学習活動として発信する、集う市民の中で育まれる学びの共同性。
  • 日野市との協定による日野社会教育センター46年の歴史によって培われたパートナーシップと信頼関係(日本社会では稀有の存在)、NPOへの委託などでみられる財政的制約や事業目的の制約と異なり、また民間事業への助成とも異なる双方の互恵関係と相互必要性の関係―新しいまちづくりの基礎となる。
  • 先駆的事業によって培われたチャレンジングな職員・スタッフの力量と、一般の公的社会教育事業やカルチャーセンターにみられない独自性のある事業プログラム(自由教育の発想)
    (自然学校、森のようちえん・冒険学校、歴史検定、終活など)
  • 社会教育が創造的営みであることを体現し、提案する主体であること

職員一人ひとりの発言を聞き、かつての公民館職員の人たちを思い出した。また、利用団体の方の発言で「一人ひとりの職員の方が一生懸命してくださるので、利用しがいがあります。」と愛情を込めて話をしていた。などとまとめの中でもお話しをいただいた。


パネルご発言の要旨は以下のとおりです。

「社会教育協会の歴史から学ぶ」

学校法人白梅学園理事長 小松隆二 氏

公益財団法人社会教育協会から独立した学校法人白梅学園(前身は「東京家庭学園」)は、現在も親子のような関係。財団法人から、私立学校法の制定にあわせ、1953年に学校法人として社会教育協会から独立した。

明治期の学校教育、大正期の自由教育運動などが拡がる中で、社会教育も学校以外の低費や無料で学べる教育機会・場として拡大していった。
その時代背景の中で、社会教育協会は穂積重遠理事長、阪谷芳朗会長、小松謙助常務理事らにより大正14(1925)年に創立された。
その人たちは、当時にあっては自由主義者、進歩的な人たちで、「社会教育の志を同じくして集まった」。“市民・国民、特に恵まれない人に対する教育を重視し、独自の社会教育の内容に取り組んだ。その点で、社会教育協会は、けっして早い時期の対応ではなかったが、ある意味で異色で先駆的であった。

この協会の歴史を引き継ぎ、これからも地域・市民中心に、さらに官民一体・協力の姿勢をもつ運動体として活動し、全国に訴えていくセンターとなるような組織として期待をしている。

「まちづくりと社会教育」 〜地域からひらく市民の学習活動〜

東京農工大学大学院教授 朝岡幸彦 氏

市民が自ら学ぶことが重要で、公民館、社会教育の場が必要である。社会教育法にあるように、様々な人が集い、思想・信条、宗教や政治を語り合えるような自由な公共空間としての公民館や社会教育施設が必要。今こそ新たな形の施設像が求められている。21世紀型「新しい公民館」像の模索が始められている。
三つの事例をあげながら今後の社会教育施設を考える。

「小学校と公民館が共存する施設」は、学校を生かした公民館施設。学校の安全を守るために市民が日常的に出入りできる空間と統合された施設。小学校と公民館が学区により「学社統合型社会教育施設」という建物があってよい。

「EX公民館」は高等学校の廃校を使い、産業振興センター、共同文化資料センター、大学セミナーハウス、大学院大学を統合する。ここに市民がどのように関わり学ぶのかということが大切で、提案している。また、これらが他の市町村との組合で運営していくというものを考えている。

駅前再開発ビルの中で、「市民活動センター」といった構想を持ち、「市民立公民館」「市民協働の学校」として、あえて公民館類似施設ということにしていく構想を提案、今後も模索していく必要がある。
日野社会教育センターも未来の公民館像の現実的な一つである。

「基本的人権としてのスポーツ」

一橋大学名誉教授 関 春樹 氏

今日の体育・スポーツの置かれた学校事故、クラブ活動のあり方を取り上げ、勝利至上主義に陥らず十分な指導の元、学校体育の中で事故を起こさず、安全に人権を視野に入れた指導を展開できるよう、国の考え方制度を充実させていくことを訴えたい。

学校事故は、柔道の事故が多い。専門家の指導者が少なく、国の政策として武道を取り上げ、体育の現場に混乱が生じているように思う。また、部活動の中では指導者が選手、学生を殴る指導が横行している。暴行事件の当事者も
「勝つために仕方なかった。」という声が残っている。

現在のスポーツ予算の多くは選手養成のみに使われる予算になっており、施設が大幅に削減されるなど、スポーツ界の歪みとなっている。人権が保証されるスポーツの権利とは、法律にあればいいということだけではなく、国民の生活の実態の中で豊かに作られていくものである。
ドイツの事例を引き、労働時間が短く、生活の中にスポーツが定着し、楽しまれている。生きる権利としてスポーツの大切さを理解しているためである。日本でもスポーツにおける権利について意識が変化し向上してきている。スポーツの勝利至上主義は、人権侵害である。「創造的活動が人間らしい社会の価値」としてスポーツは重要である。

人間の豊かな活動の一つとして、社会教育の一分野としてスポーツを深めていくことを期待したい。基本的人権としてスポーツをみんなのものにしたい。

「東日本大震災の経験と社会教育」

東北大学大学院准教授 石井山竜平 氏

東日本大震災後、「仙台市民自治研究会」の50回近い学習会から、町の未来を考える基礎的な問題を学ぶことを続けながら、震災後のまちづくりなどの話を聞き、学んでいる。その中で元NHKカメラマンの現役時代にはできなかった報道をしようという話は面白かった。また、石巻ハマグリハマで被災した方の中で、妻とお腹の赤ちゃんを亡くした方が、芸術家が作品を持ち込む、地域の漁協と力を合わせる、など、あの手この手の地域復興カフェを運営している。とびきりのメニューは「鹿カレー」。このような人たちの話を聞きながら学習会を続けている。その学習会の中で報告したいものを2つ挙げる。

「生存の東北史」最終章の中から復興計画のまだままならない時期に「震災後の地域に子供達と関わる」 “調べ学習”のなかで、「子どもたちと共に作った復興プログラム」が載っている。子供達は町の産物である硯作りに取り組み、硯で仮設住宅の皆さんの表札を作り、入居者から涙を流し喜ばれた。この中で住民から出された要望などを聞き、子供達らしく計画作りに入っていった。しかし、このレポートが生かされず、巨大防潮堤建築と共に「子ども計画」は反故にされた。現在も子供たちと違う形で運動を展開している。地域のまちづくりをどのような視点で進めていくのか問われた。もう一つは、仙台から北へ50kmの町、宮城県加美町の「指定廃棄物最終処分場詳細調査候補地問題」について、住民視点のまちづくりを報告。2011年9月に決定された国の法律「特措法」により放射能の汚染物質の仮置き場に決定された。こういった流れのなかで、放射能で汚染された危険物質について学び、専門家の力と共同しながら、安全を確保するために科学的な根拠を持ちながら、住民と国が関係し合い、まちづくりにどのように取り組んでいくのかを考えた。

市民的社会教育機関の可能性

日野社会教育センター副館長 島崎成利 氏

市民が学び様々な結びつきを広げる拠点を作る
1968年当時の日野市広報に「官製社会教育を打破して、民衆の自発的活動に基づく、自己形成という意味の社会教育が根を張り展開されなければ、日本はいつまで経っても本当の近代的民主的社会にはならない。」と有山崧市長が書いている。この精神を基に1969年(昭和44年)日野市と協定を結び「運営委員会」を設置し、市民とともに社会教育センターは出発し47年を迎えた。現在、職員が11名、スタッフの総勢は60名を超える中で、日野市や企業の健康施設などを指定管理、委託管理事業を受けて運営している。また、自主事業は150以上にわたり、民間の生涯学習施設の役割も担って地域の学習要求や、生きがい作りに貢献してきている。

開館当時から取り組んできた幼児、青少年事業は体操教室で発育発達を促すもの、自然の中で遊び活動することで冒険心と社会性を養い、人間として成長するよう支援している。森のようちえん、子ども会”ぽけっと”そして、夏休み、冬休みや春休みを利用した短期宿泊型の「自然学校」などに取り組み、子どもたちが多数参加してる。また、それらの活動には、様々な障がいを持った子どもなどが一緒に活動しふれあい、学び合うことで子ども同士の自然なコミュニケーションが育ってきている。成人の生涯学習では、講座の中で培った力を活かし、高齢者施設へ出かけ、手品やギター演奏会を行っている。自主練習、舞台でのトークなど、単なる教室や講座の“学び”ではない活動になっている。講座への参加や技術、資格を得るということにとどまらず、人と人の出会い・コミュニケーションを大切にしながら、ふれあいが広がり、自主的な学習活動に広がってゆくことが日野社会教育センターの魅力である。学習をもとに“自らの生活”や“社会を見つめ、考え、行動する”ような“社会教育”を目標にしている。

高齢化、皆が学ぶ社会など新しい時代とともに、施設に閉じこもることなく、学びたい、続けたい人たちとともに活動できる努力を続けていく方針である。今後、シンポジウムをはじめ、学ぶ場を会員や地域の皆さんと、「町づくり」、「人づくり」を進める。この90周年を機会として社会教育研究所を、市民の皆さんとともに立ち上げる所存です。

ひの社会教育センター事業実績

  1. 年間自主事業150講座
  2. 自治体委託・指定管理等6ヶ所
  3. 地域関係(幼児指導、福祉作業所、パーキンソン病など定期的11件、幼児・小学校から大学までのけん玉指導、レクリエーション指導等、短期依頼40件)
  4. 国際交流(デンマーク福祉、カナダ幼児教育、ドイツエネルギー、ネパール・カンボジア世界遺産等)
  5. 北海道物産、バザー、その他、地域支援
  6. 民間の良さを生かした自由な活動ができる「生きがい」「交流」の場づくり

コーディネーター
首都大学東京教授 荒井文昭 氏

今後、私たち自身、シンポジウムを参考にしながら事業編成や運営形態など、地球時代の社会教育をめざし、さらなる進展を図りたい。


公益財団法人 社会教育協会

〒191-0062 日野市多摩平1-2-26 TEL.042-586-6211 FAX.042-589-3626
http://www.zaidan-shakyo.org

公益財団法人 社会教育協会 日野社会教育センター

〒191-0062 日野市多摩平4-3 TEL.042-582-3136 FAX.042-581-0647
http://hino-shakyo.com

« »